JMCAA会員インタビューvol.24 須田博恵先生

JMCAA会員インタビューvol.24 須田博恵先生

2020.02.24

春が近くなってくると、新しい環境に飛び込む直前の不安と期待が混ざったような気持ちを、ふと思い出したりすることがありませんか?
鍼灸学校への入学や卒業を控えたこの時期のこと、少しだけ振り返ってみるのも鍼灸師としてのキャリアを考えるうえで役に立つかもしれませんね。
今回はJMCAA会員の先生の「立体造顔美容鍼®上級技術マスター認定鍼灸師という新しい挑戦」について、チャレンジのきっかけから認定までの道のりを伺ってきました!

 


 

 

JMCAA公認 立体造顔美容鍼®
上級技術マスター鍼灸師
須田博恵先生

 

第24回目は、茨木県水戸市で「ゆひり鍼灸マッサージサロン」を運営されている須田博恵(スダヒロエ)先生です。

平日は理学療法士として老人保健施設でリハビリのお仕事に取組み、日曜日はご自宅で口コミのお客様だけに対応する鍼灸マッサージサロンを運営、ご家庭では中学生を筆頭に3人の子どものお母さんである須田先生。

高校卒業後に理学療法士の資格を取得し、病院や施設でリハビリの仕事に長く取り組んでこられました。ところが数年前、先天的な目の疾患に加え白内障が進行し、視力が著しく低下して、リハビリの仕事を続けることが難しくなってしまわれたのだそうです。

そんな時、偶然盲学校の理療科で、鍼灸とあん摩の資格が取得できることを知り、3年間平日は学校に、土日にはその時点の視力で対応できるリハビリの仕事を続けられました。

逆境を行動力に変えてこられた須田先生のお話に、気持ちが引き締まりました!

 

(聞き手:フリーライター・キャリアコンサルタント 沼田絵美)

 

 

 

沼田)まずは、JMCAAのセミナーに参加された理由を教えてください。

 

先生)「これなら将来視力が回復できなかったとしても、鍼灸師として仕事を続けていくことができるかもしれない……」そう思って入学した学校で、美容鍼灸に初めて出会いました。とはいえ、美容鍼灸の授業そのものがあったわけではありません。

実技を教えて下さる先生が、「家でお顔に鍼を打っているの。美容にもいいのよ」と教えて下さったのです。子どものころ、化粧品のビューティーアドバイザーやエステティシャンといった「美に関わる仕事」に憧れていたものの、先天性の目の病気を抱えていたため、諦めていました。

その憧れの美容に関わることができるかもしれない!と知ったときに、「美容鍼灸についてもっと学びたい!」と思ったのです。

ところが当時、茨城には美容鍼灸が学べるところはおろか、施術を受けることができる店舗すらありませんでした…。

学校を卒業し、目の手術を受けたことでパートタイム勤務をしていた老人保健施設から正社員の声がかかりました。「子ども3人の教育費と、私の美容鍼灸セミナー受講費も貯めなければ!」と思い、そこから平日は理学療法士として、休日は鍼灸師として2つの仕事スタイルを続けています。

そうやってコツコツセミナー費用を貯め、盲学校の先生から紹介されたセミナーに参加しはじめました。一番初めに受けたセミナーも、「すごいな!」とは思ったのですが、なぜか「何か違うな…?」という感覚があり、情報収集を続けました。

次にアクセスしたのがJMCAAの動画です。そこから岡本真理先生に、そして麻布ハリークにたどり着いたときに「鍼灸学校の先生に聞いたことがある!」と思い出しました(笑)
そこでまずは麻布ハリークに一般のお客様として施術を受けに行きました。体の健康あってこその美容、という考え方に納得したことをおぼえています。

 

 

沼田)立体造顔美容鍼®上級技術マスター認定鍼灸師を目指そうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

 

先生)麻布ハリークのスタッフの皆さんも、講師の先生方もみなさんお肌ピカピカ。効果を実感して「ここだな!」と感じました。

私の場合、書類の小さな字を読み取るのに時間がかかったり、遠くの景色は見えにくかったり、まぶしさを強く感じたりといった視力の問題があるので、ご迷惑をかけないか心配でした。相談すると、セミナーの席順に配慮して下さるなど、「大丈夫ですよ」と歓迎していただいて、岡本先生はいい人だなあと(笑)

 

 

沼田)基礎技術と比べて上級技術を習得するために苦労された点はありますか?

 

先生)とにかくライン取りです。力が抜けてしまうんです。お肌をキープしながら、片手挿管をしながら、鍼をセットする…。「できなーい!!」となりました。そこで、鍼が鍼管にあらかじめセットされているワンタッチ式のタイプを使っていいかご相談しました。コスト的には割高ですが、便利なものがあるなら使おうと思って。この時にもたくさんのアドバイスをいただきました。

 

 

沼田)JMCAAで技術や理論を学んだことで、鍼灸師の仕事にどのようなプラス効果がありましたか?

 

先生)自宅で「ゆひり鍼灸マッサージサロン」をオープンしたのが、2019年の3月のことです。もうすぐ1周年ですね。日曜日だけの営業で、広告どころかHPさえ用意していないのですが、1日3組~4組のお客様にご予約いただいています。

お客様が次のお客様を紹介してくださるのも、JMCAAの美容鍼灸に「効果」があるからだと思います。

 

 

沼田)鍼灸師として一番大切にしていることを教えてください。また、院のアピールポイント、もしくはこだわりを教えてください。

 

先生)ゆひり鍼灸マッサージサロンは女性限定のサロンです。女性の悩みに共感したいと考えています。一人一人のお客様に誠実に向き合っていきたいです。

だからこそ、「鍼灸の範囲ではないケース」や、「わからないこと」はきちんと正直にお伝えしています。

 

 

沼田)晴れて上級技術マスター認定コースを修了されましたが、これからお仕事でどのように生かしていきたいですか?もしくはどう生かしていますか?

 

先生)現在、鍼灸師としての活動は日曜日だけですが、将来的に子どもが大きくなり、生活が落ち着いてきたらバランスを変えていきたいな、と考えています。

 

 

沼田)JMCAAの会員になって良かったなと思うことを教えてください。

 

先生)個人での活動ですから、普段他の鍼灸師の先生とのかかわりはほぼありません。協会で開催するセミナーに参加して、他の先生がどのような活動をされているか、どんな方がいらっしゃるのかというお話を聞くだけでも参考になります。

実は、ちょっと人見知りなのでセミナーが終わってから「もうちょっと話しかけたらよかった~」なんて後悔してしまうこともあるのですが、これからもう少し積極的になりたいです!

 

 

沼田)最後に、これから上級技術マスター認定コースを受けようと思っている人へ一言アドバイスをお願いします。

 

先生)鍼灸師としてのキャリアが短くても、視力にハンデを抱えていても、仕事や家事に時間を取られてしまう環境でも、大丈夫です。私でも、できました。というより、講師の先生方がみんなで「やれる方法」を考えてくださいます。心配していることがあったら、なんでも相談してみるといいですよ!

 

 

~取材を終えて~

 

視力というハンディキャップがありながら、というよりは「あるからこそ」ご自身のキャリアに真っすぐに向き合ってこられた須田先生。お休みもほとんどない状況で、病気の進行と戦いながら勉強を続けることは並大抵のことではないと思います。

それなのに、どんなお話をされているときも、取材中ずっと優しいお声のまま。普段から、理学療法士として体の不自由な方に優しく接していらっしゃるのだろうな…とイメージできました。

鍼灸を受けているお客様から、「日曜日以外もオープンしてほしい!」とお声がかかるのも納得です。

須田先生、ありがとうございました!

 

 


 

<店舗情報>

 

ゆひり鍼灸マッサージサロン
〒&TEL:非公開

 

 

 

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